「勉強する意味」や「夢を叶えるマインド」が分かる!(【書評】ミライの授業)

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ミライの授業 書評

こんにちは。やまたろ~です。

学校で勉強する意味が分からないよ。

子供に勉強する意味を上手く説明できないわ。

大人になってから新しいことを始めるのは遅いかな・・・。

夢があるけど、言ったら笑われそう・・・。

という悩みに多くの示唆を与えてくれる一冊をご紹介します。

それは、『ミライの授業』(滝本哲文 著)です。

中学生向けに書かれた本ですが、偉人の伝記も多数紹介されており、大人でも十分読み応えがあって、勇気がもらえる一冊です。

今回は、その中から、私が特に感銘を受けた部分を抜粋してご紹介します。

この記事で分かること
  • 学校で勉強する意味
  • 夢を実現させる武器
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著者について

著者の瀧本哲文さんは、東京大学法学部、東京大学大学院、マッキンゼー・アンド・カンパニーを経て、独立後は、企業再生やエンジェル投資家として活動しながら、京都大学で教育、研究、産官学連携活動に従事された方です。

47歳という若さで亡くなられてしまいましたが、その論理的で情熱的な教育論は、多くの若者を鼓舞し続けています。

その生き方は、NHKの『クローズアップ現代』でも紹介されていました。


学校で勉強する意味

学校の勉強は大人になってから役に立たないでしょ?

何で勉強しなくちゃいけないの?

私も含め、多くの人が一度は抱く疑問です。

例えば、ただ「レンガを積み上げてください。」と言われたら、いつ終わるかも分からないし、かなり嫌ですね。

もし、「家を建てるためにレンガを積み上げてください。完成したら住みましょう。」と言われたら、終わりも見えるし、やる気も出ます。

勉強でも同じ事が言えます。

勉強そのものが嫌なのではなく、「勉強をする意味が分からない」から辛く、嫌になるのだと、筆者は主張しています。

学校は未来と希望の工場

それでは、「勉強する意味」とは何でしょうか?

本書では、勉強するということは、「魔法を覚えること」だと説明します。

ハリー・ポッターと一緒だというのです。

「魔法」ってどういうこと?

それは、電気もない時代の昔の人になったつもりで、自分の身の周りを眺めてみると分かります。

  • テレビ・・・箱の中に人がいる。
  • スマホ・・・近くに誰もいないのに、誰かと話をしてる。
  • スピーカー・・・楽器がないのに、音楽が流れてくる。
  • 車・・・馬よりも早く走る乗り物がある。
  • 飛行機・・・鉄のかたまりが空を飛んでいる。

これらはすべて、昔の人から見れば、摩訶不思議な魔法ですよね。

しかし、現代の私たちは、テレビ等が、魔法などではなく、先人達が長年にわたって積み重ねてきた「技術」の力だと知っています。

そして、この技術は、学校で学ぶ知識をベースに成し遂げられてきました。

つまり、私たちは、学校で「魔法の基礎」を学んでいるということになるのです。

筆者は、

学校は、未来と希望の工場である

『ミライの授業』31頁

と述べています。

勉強の目的は、良い大学に合格することでも、良い会社に就職することでもありません。

もっと輝かしい未来を作るために勉強しているのです。

「未来を作る」ために必要なモノが「勉強」なんだね!

知は力なり

16世紀から17世紀にかけて活躍した、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンは、「知は力なり」という言葉を残しています。

知識こそが、人類を前進させ、未来を変える「力」だということです。

学問で知識を得る本当の目標は、決してひたすら知識を習得することでもなく、誰かを言い負かすことでなく、

人類の未来を変えるような、「発明と発見」にあるとしています。

そこでベーコンが主張したのが、「思い込み」を排除して、「観察と実験」することの大切さでした。

「勉強」に加えて「行動力」が大事だということだね!

ナイチンゲールの本当の功績

ベーコンの主張に合致する一人の偉人をご紹介します。

フローレンス・ナイチンゲールです。

この名前を聞いて、どんなイメージを持たれるでしょうか?

「クリミアの天使」とも呼ばれるとおり、クリミア戦争で傷ついた兵士を献身的に看護した人、というイメージを持っている方も多いと思います。

しかし、筆者は、ナイチンゲールが歴史に名を残した理由は、もっと別のところにあるとしています。

ナイチンゲールは、

「事実としての正しさ」を見極め、大きな「課題発見」を成し遂げた女性だったのです。

『未来の授業』68頁

どういうこと?

「戦死」と聞けば、剣や銃弾のような武器で深い傷を負って、亡くなることだとイメージされる方も多いでしょう。

当時のイギリスでも同じイメージでした。

しかし、ナイチンゲールが現地で目の当たりにしたのは、そうではなく、負傷した兵士が、不衛生極まりない病院に押し込まれて、感染症に罹患して亡くなっていくという現実でした。

そこで、ナイチンゲールは、看護師になる前に学んでいた数学統計学を使って兵士の死因を集計し、「コウモリの翼」と呼ばれるグラフも考案して死因別の死者数を一目で分かるようにして、誰しもが反論できない、「事実」に基づいた資料を作りました。

そして、この資料を用いたことで、衛生管理の重要性が知れ渡り、不衛生な環境にいる兵士や人々を救えるようになったのです。

ナイチンゲールは、学校での勉強を基礎にして、行動して、世界の福祉・医療制度を変えた偉人だったんだね!

夢を実現させる武器

誰にも言えないけど、夢を叶えたい!

世の中を変えるようなことをしたい!

という熱意を持っている人もいるでしょう。

もしそれを周りの大人に話したらどういう反応が返ってくるでしょうか?

「そんなの無理だ。」

「非常識だ。」

「前例がない。」

という言葉が返ってくるかもしれません。

しかし、だからといって、夢を諦めてしまうことは本当にもったいないことです。

周りの大人は、今まで生きてきた常識や価値観に縛られて生きています。

古い世代の人たちに世界を変える力はない。世界を変えるのはいつも「新人」なのだ。

『ミライの授業』218頁

と筆者は説明しています。

「新人」というのは、年齢という「若さ」だけではありません。

年齢に関係なく、異分野からのよそ者や、素人もその分野での「新人」であり、世の中を変える力があります。

『ハリー・ポッター』で世界一の小説家になった「新人」

世界的大ベストセラー『ハリー・ポッター』の作者J・K・ローリングスもそんな「新人」の一人です。

彼女は、「作家になりたい」という希望は抱いていましたが、現実には、秘書や大学の事務員等の職を転々としていました。

夢とは違う道を進んでいたんだね。

そこから紆余曲折を経て、あるとき、『ハリー・ポッター』の構想が浮かび、書き上げていきました。

しかし、ここで大きな常識が、彼女の前に立ちはだかります

ご存じの通り、ハリー・ポッターは、超大作です。

出版業界で「常識」とされている児童書の適切な長さの倍以上の文字の多さだったのです。

確かに、子供が読むには本が分厚い気がするね。

それに加え、そもそも児童書は売れないという「常識」と、彼女が無名の新人作家というハードルも加わります。

そして、その心配は現実となり、10社以上の出版社に断られることとなります。

そんな中、「常識外れ」の作品を採用したブルームズベリーという出版社でした。

どうして採用したの?

実は、ここでもキーパーソンとなったのは、「常識」を知らない「新人だったのです。

原稿を預かったブルームズベリーの社長は、原稿を読む気にならないでいたところ、8歳の娘が原稿を勝手に読んで、「他のどんな本より面白い」と言ったことがきっかけで、契約を決めたのです。

つまり、無名の「新人」作家が、売れない「児童書」というジャンルで、「普通の倍以上の文字数」の本がきっかけで世の中に知れ渡ったのは、出版業界を知らない、8歳の「新人」の力による、ということです。

「常識」を打ち破ったのが、「新人」だったんだね!

こうして、出版業界や映画業界にとって「新人」のJ・k・ローリングスは、業界に新しい風を吹かせることとなりました。

新人の武器と弱点

筆者は、新人の強み(武器)と弱み(弱点)を次のように整理しています。

新人の武器
  • 常識に縛られない「アイデア」
  • フットワークの軽い「行動力」
  • お金では決して買えない「時間」
新人の弱点
  • 経験、知識、技術の不足

経験や知識の不足があったり、周りの反対があったりと、逆風にある中で、それでも突き進むときに大切なものは何でしょうか。

筆者は、一生をかけて問い続ける価値がある問いとして、

「賛成する人がほとんどいない、大切な真実はなんだろう?」

『ミライの授業』246頁

というテーマを挙げています。

その問いに対する自分なりの答え(大切な真実)をつかんだとき、「新人の武器」を最大限に生かして、前進していくことができる、というのが、私がこの本から学んだことです。

「自分なりの答え」を見つけるのに年齢は関係ないよね!

まとめ

今回は『ミライの授業』の中から、著者の2つのメッセージを私なりに選択・解釈してご紹介しました。

勉強する理由

輝かしい未来(魔法)を作るため。学校は、その基礎を学ぶところ。

【代表例】

ナイチンゲールは、数学や統計学を駆使して、福祉・医療制度を変えて、多くの人々を救った。

夢を実現させるもの

「新人」という武器。「賛成する人がほとんどいない、大切な真実」を見つけたとき、逆風の中を突き進む力になる。

【代表例】

出版業界の「常識」を打ち破った、J・K・ローリングス。

本書では、このほかにも多くの偉人が紹介されています。

「違和感」から地動説を唱えたコペルニクス

コンピュータは「ハード」ではなく、「ソフト」が重要だという「仮説」を立てて起業して世界を変えたビル・ゲイツ。

自分より若い学者の弟子になって、50歳から日本地図を作る旅に出た伊能忠敬

ほんの一例です。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があるように、過去の偉人について学ぶのは、私たち読者が「これからどうするか」を考えるためです

本書で紹介されている偉人のエピソードを通して、勉強だけではなく、仕事や研究など、あらゆる場面で役に立つ考え方を学ぶことができます。

さらには、これからより充実した人生を歩むために、行動に移す勇気も湧いてきます。

本書は、14歳の中学生に向けに、わかりやすく、語りかけるように書かれていますが、その内容はとても深く、大人でも十分に読み応えがあります。

勉強が、明るい未来につながっていると思うと、ワクワクするなぁ!!

親子で共有できる内容になっていますので、この本を通して、親の価値観や、子供が考えていることを話し合う、きっかけにもなる一冊です。

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